「孤高のラストー」 グール・ド・モーテンス
ジェローム・ブレッシー氏は、フランスの若い世代の生産者が、いかに苦心し悩みながら素晴らしいワインを造り上げるのかを地でいく典型的な人物です。
彼はラストーで育ち、ラストーで素晴らしいワインを造り上げましたが、このアペラシオンでの成功は並大抵の努力では不可能だったといえます。
彼の父が協同組合の幹部であった関係で1996年まで元詰めを行っておらず、すべてのブドウを組合に売っていました。
ある時ジェローム氏は、自らが信じる方法で素晴らしいワインを造り出そうと元詰めをはじめました。
その後、瞬く間に各地で高い評価を受け名実ともにローヌを代表する生産者となりました。
ブルゴーニュのグランクリュの半分以下という低収量、非常に高い樹齢から得られる複雑な味わい、様々な種類の樽の中から自分のワインに合うキャラクタのものを選ぶというこだわり、醸造において、あらゆる手法を試して自らの理想のスタイルを実現しようとする探究心などによって他に類を見ない孤高のラストーを生み出しています。
近年は、新樽での熟成に挑戦するなど新たな試みを行い、自らのスタイルを模索・迷走しておりましたが、現在は古樽での熟成に戻し、凝縮感がありながらも、美しい酸のあるエレガントなワインを生み出しています。
コメントラストーの丘陵地の北側に位置する彼の畑は、美しい酸と緻密な構成を持ったワインを生み出します。徹底的な選果および収量制限(平均12hl/ha)によって得られる果実味の凝縮感も強く、まったく隙のない厚みを感じさせます。以前見られたような新樽の強烈なフレーバーは全くなく、どこまでもピュアな熟した黒系果実の風味がグラスに満ちます。かつてのクロ・デ・カイユのような豊満なスタイルとも違った「濃密さはあるが、エレガントな美味しさ」を備えたワインとなっています。




