「神様がブドウを育てなさいと言っているのだ」
サンタ・マリア
日本に紹介され尽した土地、モンタルチーノ。
大手のワイナリーが軒を連ね、革新的なワインが生み出される余地は絶望的とすら思えました。
そんなモンタルチーノにあって驚くべきクオリティを誇り、全く新しい哲学でワイン造りに当たる造り手が生まれました。
ベルガモ出身のコッレオーニ マリーノとルイザ夫婦が1989年にモンタルチーノに定年後の住処として購入した小さな農園が、サンタ マリアです。
夫のマリーノは元プログラマー、妻のルイザはフレッシュパスタの店を3軒経営していました。
その農園にはブドウ畑は付いておらず、購入当初はまったくワイン造りをする予定はありませんでした。
仮にその当時、DOCG認定の権利の付いた土地をモンタルチーノで購入しようと思えば、1haあたり8,000万円以上したと言います。
静かな田舎暮らしをするはずが、ある日作り話のようなきっかけで状況は一変しました。
畑に生えていた一本の栗の木、その木をよく見ると蔓が巻きついており、それを引っ張ってみたところ雑草に埋もれたブドウの樹が見つかりました。
そのあたりを掘り起こしてみると他にも古い株が500ほど発見されたと言います。
この件を地元の役所に届け出たところ、元々は畑として使われていた土地であるということで、栽培許可が無料で下りました。
まさに「奇跡」といえ、途方も無い価値の土地を彼らは知らずに取得していた事になります。
「これは神様がブドウを育てなさいと言っているのだ」
と、自らワイン造りに挑戦することとなりました。
現在では、そのとき発見されたブドウの樹は、長年手入れをしていない事もあって樹が弱ってしまっていた為に引き抜き、畑を仕立て直し、1.5haのブドウ畑と3haのオリーブ畑としました。
畑の土壌は細かい砂まじりの粘土質、ボルドー液以外の農薬を使用せず、無施肥にて栽培を行っています。
「これこそ天職。
放っておかれたら何日でも畑にいられる。
最も落ち着く場所。
」と語るマリーノは、すっかり畑の魅力にとり憑かれています。
畑は小さな4区画に分かれており、それぞれ向きと斜度が異なります。
その4区画の内、その年に最もよいブドウができた畑からブルネッロ ディ モンタルチーノ(以下 ブルネッロ)をつくり、あとの3区画分をブレンドしてロッソ ディ モンタルチーノ(以下 ロッソ)を生産します。
醸造に関しては、縦型の大樽を使い、自然酵母のみで発酵、20~25日程度のマセレーション(醸し)行います。
果皮を除いた後、ブルネッロは15~20ヘクトリットルの大樽で2~3年熟成、ロッソはステンレスタンクで熟成させます。
ロッソには、ブルネッロに使用するキュヴェのセカンドプレス果汁を使用しています。
ブルネッロには果汁と搾りかすを分ける時に優しく圧搾した果汁だけを用い、僅かに渋みやタンニン分が抽出されるプレス果汁は、ロッソに使用します。
そして、彼らはこの4区画とは別に、完全に森に囲まれた小さな畑を持っており、この畑は完全に無肥料・無耕起で栽培しています。
またこの畑のブドウから造られるワインは、瓶詰めまで完全に亜硫酸無添加で造られます。




