「隣のおばちゃん恐るべし!!」
今世紀の初めより代々続く伝統的なブドウ・ワイン農家であったペヴェラーティ家が、弁護士の父の代には家族でアレッサンドリア市に引越し農業から遠ざかってしまっていたところ、70年代にイザベッラの叔父であるステファノ(Zio Stefano)が少しずつ畑を買い戻し、現在の36ヘクタールの畑まで広げ、ブドウを協同組合に売りながら一族伝統の有機農業を再開しました。
その地で1999年から「イル・ブオンヴィチーノ(=善良な隣人)」というアグリツーリスモを営むイザベッラは、さらにピエモンテから消えつつある伝統的な造りのワインの再現を求め、90年から個別に少量をボトリングしはじめます。
こうして再生した伝統的な4つのワインは、それぞれ彼女の4人の息子の名を与えられ、自分のアグリツーリスモや地元だけで消費しているのです。
彼女の畑はすべて除草を全くおこなわず、無施肥で農薬もボルドー液以外使いません。
また全てのワインは野生酵母で発酵し、基本的にボトリング前でさえSO2無添加で造っています。
我々と彼女との出会いは、まっ茶色に濁ったモスカート・パッシートから始まりました。
イタリアに赴いた折、ある人から手渡されたワインを飲んだ瞬間にとてつもない衝撃が走りました。
パッシートによる甘みを完全に包み込んでしまうような強烈な旨み、信じられずに呆然としてしまいます。
アスティ地区からかなり外れた彼女の家まで追いかけていき、農業と醸造を指導するコリーノ氏にもその時に出会いました。
彼女が何か話し始めると、必ず一同大爆笑のオチで終わるという、まるでコメディアンのような親しみやすい彼女。
その生産者名「イル・ブオンヴィチーノ(=善良な隣人)」は「隣のおばちゃん」という訳がぴったりです。




